概要 †
認定開始 | |
受験資格 | 薬学科卒業 |
管轄 | 厚生労働省 |
日程 | 試験:2月中旬の土日二日間 合格:3月下旬 |
形式 | マーク式 |
受験料 | 6,800円 |
合格率 | 70% |
分類 | 医療 |
勉強時間 | ? |
人数 | 321,982人(男124,242人、女197,740人) 2020年12月時点 |
年収ランク | 【11】600~799万円 |
HP | mhlw.go.jp |
解説 †
- 医療における調剤や配薬の専門家であり、コメディカルの中では最も知識重視の職種である。医薬分業の推進により、薬剤師としての重要性が高まってきている。
- 1974年、処方せん料が100円から500円に引き上げれ、実質的に医薬分業が開始された年と言える。これ以前は、医師の指示された薬を出すだけの職種であった。しかし、近年は分業化が進み、2020年時点で病院の院外処方箋率は79.5%であった(参考:こちら)。また、診療所と合わせても76.6%が院外処方箋であり、薬剤師としての仕事はますます増えている。
- 調剤薬局、ドラッグストア、病院、診療所など、その勤務場所によって薬剤師としての働き方の性格が異なってくる。
- 調剤薬局や病院では医師や歯科医師の指示の下での調剤や薬剤の安全管理が主業務となり、コメディカルとしての側面が強い。一方で、ドラッグストアでは一般客に対して自信が主体的に薬剤を提案するなど、内科医的な側面がある。
- 日本では薬剤師のことを「調剤屋さん」ぐらいにしか思ってない傾向にあるが、本来薬剤師というのは医師に対して薬剤の提案をしながら積極的に臨床に参加する立場である。例えば、というのも、医師は自身の専門科の薬剤には詳しいが、そうではない領域の薬剤は名前すら知らない場合がある。合併症を持つ患者の場合は薬剤師の知識が重要だったりするため、臨床への積極的な参加が求められる。近年はその傾向は浸透してきたが、病院によっては「医師の言われたとおりに調剤するだけ」というところもある。
- 働き方として、医療者としてかかわるもの以外には製薬会社へ就職するキャリアは割りとメジャーになっている。医薬情報担当者として就職し、薬剤の営業をする。薬理学のバックグラウンドがあるため医師にわかりやすい説明をすることができるという利点がある。
- 他のコメディカルの例にもれず女性が多く、第106回薬剤師国家試験(2021年)の合格者数は9,634名で、35.67%が男性、64.33%が女性であった。
- コメディカルの中では最も知的活動の割合が高く、格が高いとされる。
薬学部 †
- 2006年から6年制となっている。
- 4年制の薬学部も存在するが、主に研究者を養成するコースとなっている。そのため、4年制を卒業しても薬剤師国家試験を受けることはできない。
- 6年制への移り変わりの際に、医薬分業における薬剤師の専門性強化がうたわれた。その需要を察知した金の亡者が薬学部を乱立させたのだ。
- 2002年時では47校であった薬学部は、毎年のように新設が続く新設ラッシュが起き、2020年までに30校が追加された。実に1.6倍であり、定員割れ問題にもつながった。
- 2019年は、薬学部のうち40%、2020年は45%が定員割れとなった。
- 定員数は2008年度に1万3494人と過去最多を記録して以来、緩やかな減少傾向が見られており、最近は1万2900人前後で推移している。
- 学費に関しては、国立大学で6年間で350万円、私立大学で1100万円~1400万円程度となる。
国家試験 †
薬剤師国家試験
将来 †
- 医学部、歯学部、獣医学部の定員は文部科学省の許可がないと増設出来ないが、実は薬学部に関しては基準を満たすだけで増やしまくれてしまっていた。
- そのために薬剤師が増加し続け、厚生労働省によると、薬剤師の総数は45年には、病院や薬局で必要な人数(33万~40万人)を10万人程度、上回るとみられる。
- 文部科学省は2025年度以降、原則として大学の6年制薬学部の新設や定員増を認めない方針を固めた。将来的な薬剤師余りや、近年の薬学部の急増による定員割れなどに対応する。
薬剤師数 †
年 | 薬剤師数(人) |
1988 | 143,429 |
1990 | 150,627 |
1992 | 162,021 |
1994 | 176,871 |
1996 | 194,300 |
1998 | 205,953 |
2000 | 217,477 |
2002 | 229,744 |
2004 | 241,369 |
2006 | 252,533 |
2008 | 267,751 |
2010 | 276,517 |
2012 | 280,052 |
2014 | 288,151 |
2016 | 301,323 |
2018 | 311,289 |
2020 | 321,982 |
2022 | |
表:薬剤師数の推移
- 薬剤師数は順調に増えており、その過剰さが争点となっている。
- 全国ベースでの処方箋枚数は2020年が約8.6億枚で、その後の10年間は増え続ける見通しである。しかし、2030年に9.5億枚で頭打ちになり、その後は横ばいで推移するとのこと。これは人口減少の影響によるもので、2045年の処方箋枚数は20年比で8.4%増の9.3億枚とされた。薬剤師はこのまま増え続けるが、処方箋数は頭打ちとなるため、その需給関係がどうなるかだ。
給料 †
薬剤師の給料
コメント †