概要 †
- 試験
分類 | 国家資格 |
管轄 | 国税庁 |
法律 | 税理士法 |
時期 | 毎年8月 |
科目 | 会計学2科目、税法3科目 |
受験資格 | 主に短大卒以上(詳細下記) |
独占業務 | あり:税理士業務 |
人数 | 80,473名(2022年11月時点) |
年収ランク | 【10】800~999万円 |
HP | 国税庁 |
解説 †
- 税理士とは、税金のスペシャリストとして、納税のアドバイスや申告書の作成を行う専門家である。
- 主要な仕事は、所得税や法人税、相続税などの申告を納税者に代わって行うこと、およびそのための相談を受けることである。
- 公認会計士も似たような位置づけであるが、公認会計士は「財務諸表監査」の専門家、税理士は「税務」の専門家であり、互いにカバーする範囲が違う。
- 会計士が大手企業を相手にするのに対し、税理士は中小企業や個人を相手にすることが多い。
- 公認会計士試験に合格していれば税理士登録ができる。一方で、税理士試験合格者は2年の実務経験が必要となる。このため、公認会計士の下位互換資格と見なされることが多い。公認会計士試験では、「税」に関する科目は租税法1科目であるのに対して、税理士試験では5科目ほとんどが税に関する科目であり、その一つに1000時間以上の勉強時間が要求される。税の知識に関して言えば圧倒的に税理士であるため、その分野に関しては公認会計士よりも優位であると言える。
試験 †
受験資格 †
- 学識による受験資格
大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
司法試験合格者
公認会計士試験の短答式試験に合格した者
- 資格による受験資格
日商簿記検定1級合格者
全経簿記検定上級合格者
- 職歴による受験資格
法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者 括弧 証明書類
銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
科目 †
分野 | 科目 | 備考 |
会計学 | 簿記論、財務諸表論 | 必須 |
税法 | 所得税法、法人税法 | いずれか1科目選択必須 |
相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、住民税または事業税、固定資産税 | いずれか2科目選択 |
独占業務 †
- 税務代理(法第2条第1項第1号)
税務官公署に対する申告等につき、又はその申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次の2にとどまるものを除きます。)をいいます。
- 税務書類の作成(法第2条第1項第2号)
税務官公署に対する申告等に係る申告書等を作成する(注2)ことをいいます。
- 税務相談(法第2条第1項3号)
税務官公署に対する申告等、法第2条第1項第1号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法第2条第6号イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相当するものをいいます。以下同じです。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいいます。
参考文献:https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/ihan/qa02.htm#a2-1
結果 †
- 総合
年 | 回 | 受験 | 科目合格 | 官報合格 |
2020 | 70 | 26,673 | 4,754 | 648 |
2019 | 69 | 29,779 | 4,639 | 749 |
2018 | 68 | 30,850 | 4,044 | 672 |
2017 | 67 | 32,974 | 5,839 | 795 |
2016 | 66 | 35,589 | 4,882 | 756 |
2015 | 65 | 38,175 | 6,067 | 835 |
- 官報合格とは、5科目すべてに合格すること。合格発表の日の官報に受験地・受験番号・氏名が掲載されるため、「官報合格」と呼ばれている。
- 科目別
年 | 回 | 簿記 | 財表 | 所得 | 法人 | 相続 | 消費 | 酒税 | 国税 | 住民 | 事業 | 固定 |
2020 | 70 | 22.58 | 19.02 | 12.04 | 16.07 | 10.56 | 12.49 | 13.9 | 12.15 | 18.11 | 13.13 | 13.5 |
2019 | 69 | 17.41 | 18.91 | 12.78 | 14.72 | 11.67 | 11.86 | 12.4 | 12.7 | 19.02 | 14.8 | 13.71 |
2018 | 68 | 14.82 | 13.37 | 12.27 | 11.58 | 11.75 | 10.6 | 12.82 | 10.69 | 13.48 | 11 | 14.91 |
2017 | 67 | 14.24 | 29.56 | 13.04 | 12.06 | 12.11 | 13.35 | 12.2 | 11.63 | 14.25 | 11.9 | 13.29 |
2016 | 66 | 12.58 | 15.32 | 13.38 | 11.61 | 12.49 | 12.98 | 12.56 | 11.55 | 11.66 | 12.9 | 14.57 |
2015 | 65 | 18.79 | 15.62 | 13.22 | 11.07 | 13.38 | 13.14 | 11.9 | 14.17 | 9.58 | 13.64 | 14.78 |
2014 | 64 | 13.17 | 18.4 | 13.19 | 12.4 | 12.87 | 10.31 | 13.05 | 13.16 | 8.65 | 13.49 | 14.75 |
2013 | 63 | 12.24 | 22.38 | 14.79 | 12.38 | 11.66 | 11.8 | 11.75 | 12.93 | 12.23 | 12.04 | 13.72 |
2012 | 62 | 18.82 | 20.74 | 12.32 | 12.59 | 12.81 | 12.38 | 12.37 | 13.61 | 16.46 | 9.9 | 16.95 |
2011 | 61 | 14.78 | 16.63 | 13.43 | 12.53 | 11.56 | 13.68 | 12.28 | 13.27 | 16.55 | 17.14 | 12.21 |
2010 | 60 | 12.51 | 13.1 | 14.32 | 12.6 | 13.88 | 12.31 | 12.29 | 12.14 | 16.24 | 11.93 | 10.47 |
2009 | 59 | 9.88 | 15.98 | 13.37 | 12.06 | 14.73 | 12.38 | 10.37 | 11.33 | 18.18 | 13.82 | 9.96 |
- 1科目の合格率が概ね10%台にとどまっており、5科目合格となると難易度が跳ね上がる。1年で全部取るとなると3%以下の合格確率となる。
難易度 †
- 平均勉強時間10年(働きながら)、一発合格者は数年に一度しか出ないと言われており、その難易度は非常に高い。
- そのため、税理士試験合格までは早くて2~3年と思ってもらった方がいい。5年以上かかる人が非常に多い。
- 5科目合格することが必要であるが、4科目で止まってしまう人は多い。
- 司法書士や公認会計士でも3~4回の受験までで多くの人が蹴りつくのに、それらよりも資格優位性が低いと言われている税理士で10年はやりすぎである。ただ、税理士の場合は働きながらの受験となる人も多いので、そのあたりは考慮する必要はある。
税理士数 †
年 | 新規登録者(人) | 人数(人) |
---|
2022 | | 80,163 |
2021 | 2,490 | 79,404 |
2020 | 2,693 | 78,795 |
2019 | 2,648 | 78,028 |
2018 | 2,727 | 77,327 |
2017 | 2,885 | 76,493 |
2016 | 2,767 | 75,643 |
2015 | 2,750 | 75,146 |
2014 | 2,906 | 74,501 |
2013 | 3,012 | 73,725 |
2012 | 2,716 | 72,635 |
2011 | 2,398 | 72,039 |
表:税理士数の推移
給料 †
税理士の給料
コメント †