概要

 「普通に会社に勤めてキャリアアップをしている人」の年収(=真の平均年収)はどの程度であろうか。会社勤めをしている正社員の方々が年収を比較する際には、同様の属性を方々と比較しないと自身の立ち位置はわからない。国税庁発表の平均年収(2021年443万円)は国の経済指標としては機能するが、「自分がどれぐらい稼いでいるか」を判定する数値としては機能しない。というのも、平均年収はあてにならないでもお話しさせていただいたが、この数値は様々な属性を持つ人をひとまとめにして算出しているからだ。契約社員やアルバイトが含まれており、この属性の方々は主婦や定年者も含めれており、継続的な年収アップという概念があまりなく、平均値を押し下げるからだ。その方々と、「キャリアアップして年収を上げて一家を支えていきたい」と考える方々を一緒にして比較はできないだろう。特に近年は非正規労働者が増えてきており、平均年収の押し下げ効果が強まっている。押し下げ要素は以下の2点である。

  1. 非正規雇用者を含んでいる。
    非正規雇用者は2020年時点では、全体で37.2%、2100万人に存在している。当然、正規雇用者と比較すると給与は大きく下がり(2019年の非正規雇用者の年収は175万円)、これが平均年収を大きく押し下げている。不本意ながら非正規雇用者になっている人も10%存在するが、多くは主婦のパートタイム労働だったり定年後の趣味労働だったりするため、正規社員の年収と一緒に比較することはできない。
  2. 正規社員でも総合職と一般職がごちゃまぜ
    一般職や現業職は平均を大きく押し下げる。

 要するに、国税庁の平均年収は平均を押し下げる要因が多数介在しており、普通にキャリアを積んでいる人にとっては物足りない数字になる。
 「平均年収443万円」という数字を信じてしまうとどうなるのか。自身の年収を過大評価し、平均年収500万円程度でも「俺って結構稼いでいるよ」と勘違いしてしまう。勘違いすると努力ができなくなってしまう。このまま一生勘違いし続けることができたら問題ないが、ある時に「500万円って本当は世間一般の年収よりも少ないんだ」と悟った時、既に年齢が超過するなどして努力してもどうにもならないフェーズに移行するなどして、機会損失をしてしまうのだ。私が印象的だった人は、雇われテニスコーチをされていた方だ。確か30歳過ぎだとは思ったが、「俺は結構もらっている」と豪語していたのだ。また、これも当然雇われではあるが、看護師をされていた方で、「看護師の給料は高い!実際見た人は驚きますよね!」と話していた方だ。その方は女性であるが、「お金目当てで寄ってこられて困ってしまう」とも話していた。両者の給料は「真の平均年収」以下であるが、「偽りの平均年収」を信じるあまり、「自分の給料は高い!」と勘違いをしてしまっていたのだ。勘違いはその時点でのQOLを向上させるが、前述したように生涯全体の視点では機会損失を発生させてしまう。生涯QOLを向上させていくためには、自身の年収の立ち位置を正確に理解しておく必要がある。

真の平均年収の参考になる資料

確実にキャリアを積み重ねている人の年収を判断するには以下の指標をうまく利用することが重要である。

真の平均年収目安

  • 上記ページを参考にすると、30歳600万円、40歳850万円程度が平均値であろうか。
  • 東大などの一流大学であれば上記プラス200万円程度となるのであろうか。

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