概要 †
解説 †
- 公務員最難関試験。
- 「官僚」と呼ばれる人になる試験。
- かつては東大文Ⅰから国家公務員Ⅰ種(本資格の過去名称)に合格し採用されることがエリートの王道であった。
- しかし、近年では本職の人気は大きく低下しており、民間のホワイト企業に優秀層を取られている。
- 人事院が2018年8月末に発表したデータによると、国家「総合職」試験の志願者数は3年連続で減少し、今年度は19,609人とⅠ種試験が始まった1985年以降で最低であった。直近のピークだった1996年度(45,254人)と比較するとほぼ半減であった。
- 東大生の志望者も明らかに減っており、2018年の合格者は329人とその時点では過去最少であり、2013年の454人から100人以上も減っている。
- 東大生「国家総合職は入るのが大変ですし、仕事がキツい割に給与が安い。45歳を過ぎて課長になれても年収1000万円に届くかどうかですから。それに3年に一度は異動で振り回され、民間企業からはプライドが高くて扱いづらいと思われるのでしょう......官僚はキャリアを積めば積むほど『転職に弱くなる』とも先輩から聞いています。それなら最初から民間の大企業に入ったほうが無難と考える学生が多いですね」と。
- キャリア官僚を志望する優秀な学生が目立って減少している大きな理由の1つは、渡り鳥的なパターンも含む「天下り」による生涯所得の最終局面での上積みという一発逆転的な人生コースが、世間の批判を浴びてほぼ完全に閉ざされる方向になったからだと言われている。
- 試験に合格しても各省庁に採用されないと総合職になれないという謎システムを採用している。
- 法律、経済、政治国際、教養の4つの区分に分けられ、試験科目も微妙に異なる。入省後の業務に大きな違いはない。しかし、試験科目と採用状況はそれぞれ異なる。
- 2012年に新設された教養区分は人物重視、大学3年次から受験できるなど不正の温床になりやすいシステムを採用している。
- 2012年度より、国家公務員I種試験が名称変更され、新たな人材確保を目的に、従来の大卒程度試験に加え院卒者試験が設けられた。
- 2023年、公務員を就職先に選んだ東大の経済学部生は9人で、10年前(46人)と比べると8割減った。1桁になるのは、記録が残る過去20年間で初めてだ。2022年度の合格者のうち東大出身者は320人であった。10年前よりも131人減り、全体に占める割合も31%から15%に下がった。
- 一方で、増加が著しいのは地方国立大や私立大の出身者だ。22年度に10人以上の合格者を出した大学数は39で、12年度の22よりも大幅に増えた。北海道大(47人→117人)、立命館大(22人→63人)、岡山大(30人→61人)などで合格者の増加が目立つ。
試験 †
- 法律
試験 | 種目 | 問題数 | 内訳 | 時間 | 配点 |
1次 | 基礎能力 | 40 | 知能27+知識13 | 3時間 | 2 |
専門 | 49 | 必須31+選択9 | 3時間30分 | 3 |
2次 | 専門 | 4 | 必須1+経済理論+選択2 | 4時間 | 5 |
政策論文 | 1 | | 2時間 | 2 |
人物試験 | | | | 3 |
計 | 15 |
合格基準点 †
合格率 †
年 | 法律 | 経済 | 政治・国際 | 人間科学 | 工学 | 数理科学 | 化学生物薬学 | 農業科学水産 | 農業農村工学 | 森林自然環境 |
2020 | 8.6 | 4.5 | 3.3 | 6.1 | 2.6 | 4.5 | 8.5 | 3.1 | 2.2 | 4 |
2019 | 17 | 8.6 | 9.9 | 8.6 | 6.1 | 8.1 | 11.9 | 4.3 | 4.6 | 8.5 |
2018 | 18.1 | 8.5 | 16.6 | 8.8 | 7.4 | 9.3 | 13 | 4.9 | 5.7 | 9.5 |
2017 | 17.0 | 7.8 | 17.8 | 4.6 | 6.0 | 7.4 | 13.8 | 6.6 | 8.4 | 11.1 |
2016 | 14.3 | 7 | 19.5 | 8.6 | 6.1 | 5.2 | 9 | 5.8 | 3.3 | 10.5 |
合格者の出身大学 †
- 2021年
順位 | 大学 | 人数 |
1 | 東京 | 256 |
2 | 京都 | 115 |
3 | 北海道 | 80 |
4 | 岡山 | 78 |
5 | 早稲田 | 77 |
6 | 慶應義塾 | 68 |
7 | 東工大 | 67 |
8 | 東北 | 65 |
9 | 千葉 | 57 |
10 | 中央 九州 | 56 |
- 2020年以前
大学 | 東京 | 京都 | 早稲田 | 北海道 | 東北 | 中央 | 立命館 | 岡山 | 東工大 | 名古屋 |
2020 | 249 | 131 | 90 | 69 | 65 | 60 | 59 | 56 | 51 | 51 |
2019 | 307 | 126 | 97 | 81 | 75 | 59 | 33 | 55 | 33 | 30 |
2018 | 329 | 151 | 111 | 67 | 82 | 50 | 32 | 45 | 42 | 35 |
2017 | 372 | 182 | 123 | 82 | 72 | 51 | 36 | 34 | 41 | 41 |
2016 | 433 | 183 | 133 | 82 | 85 | 51 | 26 | 38 | 49 | 48 |
省庁別難易度 †
難易度 | 省庁 |
難 | 財務省、警察庁、経済産業省、総務省 |
普通 | 外務省、文部科学省、防衛省、内閣府、金融庁、会計検査院、厚生労働省 |
楽勝 | 国土交通省、環境省、農林水産省、法務省等 |
年収 †
年齢 | 年収 |
23 | 350 |
25 | 500 |
28 | 600 |
32 | 700 |
35 | 800 |
40 | 900 |
45 | 950 |
50 | 1200 |
- 毎年1月1日に昇給
- 評価が良ければ+2000円上乗せ。
- 省庁の違いにより残業代が少し異なる。
- 住宅手当は上限が28000円。
- 半年に1回の業績評価と1年に1回の能力評価がある。
- 平均月給は大企業に準じた水準で、416,969円(※平均年齢43.2歳、2017年国家公務員給与等実態調査より)。これに残業代や年2回の期末・ボーナス、地域手当などを加えると平均年収は約700万円となる。ただ、この額に関しては東大などのトップ校出身者からすると物足りないであろう。
- 30歳課長補佐600万円、40歳1000万円
- 28歳550万円
- 40歳前後で1000万円に到達する。
コメント †
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