概要 †
解説 †
- 公認会計士とは、企業の監査と会計を専門分野とする。
- 監査業務・コンサルティング業務・税務業務に大別される。
- 資本主義の経済活動において、公正な財務会計を保つために尽力する。財務会計を管理することで、その視点からのコンサルティング業務もメインの仕事となる。
- 司法試験、不動産鑑定士試験と並び、三大難関資格に数えられる。
- 主な合格者層は早慶であり、MARCHの優秀層もそこに続く。
- 司法試験と比較すると、短答式が年2回あり、論文式の科目合格制度もあることから、試験難易度は大きく落ちると思われる。
- 東京に17000人以上もの会計士が存在しており、全体の半分以上が東京に集中している。
試験 †
- 短答式、論文式の試験を突破し、業務補助等の期間が2年以上こなし、実務補習を修了し、それでようやく公認会計士の資格を得ることができる。
短答式 †
- 一度合格すれば合格年次を含む3回の論文式試験への挑戦ができる。
- 合格には全科目の総得点で65~70%の獲得が必要であり、科目合格制はない。
- 司法試験合格者等は短答式試験が全部免除される。
- 会計専門大学院修了者は企業法以外の3科目が免除される。
- 税理士試験における簿記論・財務諸表論の合格者や上場企業等で会計・監査業務に7年以上従事したものは財務会計論が免除される。
論文式 †
試験科目 | 時間 |
監査論 | 2 |
租税法 | 2 |
会計学 | 2 |
会計学 | 3 |
企業法 | 2 |
選択科目 | 2 |
- 科目合格制度があり、56~57%程度以上の偏差値得点比率の科目は合格発表の日から2年間は受験が免除される。
- 試験科目は、監査論・租税法・会計学・企業法・選択科目の5科目だが、会計学は午前(管理会計論)と午後(財務会計論)に分かれており、実質的には6科目を受験することになる。
- 合格には全科目の偏差値による得点比率52%が必要である。
合格基準点 †
- 短答式:総点数の70%(500点満点中350点)を基準としている。ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないもののある者は不合格となる。
- 論文式:52%の得点比率(偏差値52.00)を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率が合格基準となる。ただし、1科目につき、その得点比率が40%に満たないもののある者は不合格となることがある。
合格率 †
年度 | 出願 | 合格 | 合格率 |
2021 | 14,192 | 1,360 | 9.6% |
2020 | 13,231 | 1,335 | 10.1% |
2019 | 12,532 | 1,337 | 10.7% |
2018 | 11,742 | 1,305 | 11.1% |
2017 | 11,032 | 1,231 | 11.2% |
2016 | 10,256 | 1,108 | 10.8% |
2015 | 10,180 | 1,051 | 10.3% |
2014 | 10,870 | 1,102 | 10.1% |
2013 | 13,224 | 1,178 | 8.9% |
2012 | 17,894 | 1,347 | 7.5% |
2011 | 23,151 | 1,511 | 6.5% |
2010 | 25,648 | 2,041 | 8.0% |
2009 | 21,255 | 2,229 | 10.5% |
2008 | 21,168 | 3,625 | 17.1% |
2007 | 20,926 | 4,041 | 19.3% |
2006 | 20,796 | 3,108 | 14.9% |
2005 | | 1,308 | 8.5% |
2004 | | 1,378 | 8.4% |
2003 | | 1,262 | 8.4% |
2002 | | 1,148 | 8.6% |
2001 | | 961 | 8.0% |
2000 | | 838 | 7.6% |
1999 | | 786 | 7.7% |
1998 | | 672 | 6.7% |
1997 | | 673 | 6.7% |
1996 | | 672 | 6.6% |
1995 | | 722 | 6.9% |
1994 | | 772 | 7.4% |
1993 | | 717 | 7.5% |
1992 | | 798 | 9.8% |
1991 | | 638 | 8.9% |
1990 | | 634 | 9.8% |
1989 | | 596 | 10.4% |
- 2005年以前は8%の合格率で推移していたが、2006年から合格率が急上昇し、2007年には4000人を超える合格者を出した。現在は10%前後で落ち着いている。
出身大学 †
順位 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 |
1 | 慶應義塾 | 167 | 慶應義塾 | 183 | 慶應義塾 | 144 | 慶應義塾 | 157 | 慶應義塾 | 139 |
2 | 早稲田 | 98 | 早稲田 | 105 | 早稲田 | 115 | 早稲田 | 111 | 早稲田 | 96 |
3 | 中央 | 74 | 明治 | 81 | 明治 | 77 | 明治 | 84 | 中央 | 96 |
4 | 明治 | 60 | 中央 | 71 | 中央 | 77 | 中央 | 77 | 明治 | 72 |
5 | 立命館 | 52 | 東京 | 40 | 東京 | 43 | 東京 | 50 | 東京 | 36 |
6 | 東京 | 49 | 京都 | 39 | 京都 | 39 | 京都 | 48 | 同志社 | 33 |
7 | 神戸 | 47 | 立命館 | 38 | 立命館 | 39 | 一橋 | 36 | 立命館 | 29 |
8 | 京都 | 43 | 神戸 | 36 | 一橋 | 37 | 立命館 | 31 | 関西学院 | 27 |
9 | 法政 | 42 | 一橋 | 34 | 関西学院 | 34 | 神戸 | 29 | 法政 | 27 |
10 | 同志社 | 34 | 法政 | 34 | 立教 | 32 | 専修 | 29 | 神戸 | 26 |
- 1975年以降、1位慶應、2位早稲田の位置は固定されている。3位には中央大学が入っていたが、2010年代後半になって明治大学がその位置にいるようになった。
業務補助 †
- 公認会計士登録に必要な実務経験には「業務補助」と「実務従事」がある。計2年以上の実績が必要となる。
- 業務補助は、公認会計士または監査法人において監査証明業務を補助することをさす。1年につき、2つ以上の法人の監査証明業務を行う必要がある。
- 実務補助は、財務に関する監査、分析その他の実務に従事することをさす。
修了考査 †
科目 †
税に関する理論及び実務:3時間
会計に関する理論及び実務:3時間
経営に関する理論及び実務:2時間
監査に関する理論及び実務:3時間
公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理:1時間
合格率 †
年 | 受験 | 合格 | 合格率 |
2021 | | | |
2020 | 1,936 | 959 | 49.5% |
2019 | 1,749 | 854 | 48.8% |
2018 | 1,495 | 838 | 56.1% |
2017 | 1,536 | 1,065 | 69.3% |
2016 | 1,649 | 1,147 | 69.6% |
2015 | 1,811 | 1,301 | 71.8% |
2014 | 2,030 | 1,438 | 70.8% |
2013 | 2,262 | 1,528 | 67.6% |
2012 | 2,593 | 1,846 | 69.6% |
2011 | 3,468 | 2,378 | 71.2% |
2010 | 3,234 | 2,246 | 69.4% |
2009 | 2,145 | 1,493 | 69.6% |
2008 | 1,790 | 1,323 | 73.9% |
2007 | 1,651 | 1,186 | 71.8% |
- 合格基準は、総点数の 60%を基準として、修了考査運営委員会が相当と認めた得点比率とし、また、満点の 40%に満たない科目が1科目でもある者は不合格となることがある。
- 元々70%程度の合格率をキープしていたが、2018年よりいきなり低下し、現在は50%程度で推移している。
- 公認会計士協会は「しっかり勉強しろ」と声明を出しているが。。。。
- 公認会計士数が増えすぎたことによる締め付けと思われる。協会による既得権益の確保であろう。
会計士数の増減 †
- 2006年からの合格率急上昇やリーマンショックによる市況の変化があり、試験合格者がだぶついた。2009年から2013年においてそのだぶつきは顕著であり、試験合格で業務補助に従事できない待機合格者問題と言われた。2009年の合格者(1,916人)のうち未就職者は178人であり、2010年の合格者(1,923人)のうち700人が2011年3月7日現在、求職活動中であるとされていた。
- しかし、2015年以降の合格率締め付けにより公認会計士不足となり、再度売り手市場となった。
- 修了考査のめちゃくちゃな合格率でもわかるように、公認会計士協会は合格者の恣意的な調整を行っており、なおかつ市場に適応できてないという無能さを発揮している。
公認会計士数 †
年 | 準会員 | 会員 | 合計 |
1950 | 44 | 241 | 285 |
1960 | 733 | 1244 | 1977 |
1970 | 525 | 4220 | 4745 |
1980 | 2107 | 6127 | 8234 |
1990 | 2393 | 8927 | 11320 |
2000 | 4038 | 13375 | 17413 |
2010 | 8596 | 21496 | 30092 |
2020 | 6454 | 32744 | 39198 |
2021 | 6719 | 33482 | 40201 |
表:公認会計士協会の会員数
- 公認会計士協会の『会員』には次の3つが含まれているため、グラフは厳密には『公認会計士』の人数の推移にはなっていない。しかし、公認会計士協会の『会員』の99%が公認会計士であるため、会員数=公認会計士数と捉えてよい。
- 公認会計士になるためには試験合格と2年間の実務経験が必要である。準会員は、試験に合格しただけの人であり、いずれ会員になる身分の人である。
- 2000年には14,000人しかいなかった公認会計士だが、現在は31,000人以上であり、その数は倍増している。
年収 †
公認会計士の給料
コメント †