概要

認定開始
受験資格あり
管轄国土交通省
試験期間出願:4月
筆記:7月
実技:10月
合格:12月
形式マーク、記述
受験料17,000円
合格率学科:15%
製図:40%
分類建築
勉強時間1000時間
人数37万1,184人(2020年4月1日)
HPhttps://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/index.html

解説

  • 一級建築士とは、家屋、学校や体育館、商業施設や病院など、ありとあらゆる建造物の設計をする専門家である。住宅からオリンピックのスタジアムまで幅広い設計可能。
  • 二級建築士では、建築学部などで履修科目を学んでいれば実務経験がなくても受験資格を得ることができるのに対して、一級建築士の場合は実務経験がないと受験資格を得られない
  • 2020年に建築士の受験基準が緩和され、二級建築士を取得して4年以上勤務すれば受験資格を満たすこととなった。
  • 建築系の頂点に立つ資格である。
  • 受験資格の制限がやや厳しく、四年制大学卒業(指定科目の取得が必要)+実務経験となっていたが、2020年に建築法が改正され、実務経験が不要になり、大学卒業後すぐに建築士試験を受験できるようになった。また、二級建築士についても実務経験の記載が削除されたため、二級建築士であればすぐに一級建築士を受験できるようになった。
    • 実務経験に関しては受験資格からは外されたが、合格後に免許登録の際に必須となっている。
  • 工業高校を卒業し、すぐに二級建築士を取り、さらにその後すぐに一級建築士をとると最短で20歳でできる。

年収

  • 厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」で公表されている。 2017年の調査結果によると、月収は男性で43.2万円、年間ボーナスは135.7万円、年収は653.5万円であった。
  • 独占業務(全ての構造、規模、用途の建築物について、設計工事管理を行うことができる)があるので独立はすることができる。

試験

受験資格

以下のものに受験資格が与えられる。

  • 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
  • 二級建築士
  • 建築設備士
  • その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
  • 2020年に受験資格が緩和され、実務経験が不要となった。ただし、合格後には実務経験が必須である。

問題

区分出題形式出題科目出題数試験時間
学科四肢択一学科I(計画)202時間
学科II(環境・設備)20
学科III(法規)301時間45分
学科IV(構造)302時間45分
学科V(施工)25
設計製図記述設計製図16時間30分
  • 製図:事前に公告された「設計課題」に対して、6.5時間の試験時間内に依頼主(出題者)の要求を設計条件から的確に読み取り、利用者の利便と周辺環境を考慮した建築物の計画と作図を行う。

合格率

学科製図総合
受験合格合格率受験合格合格率受験合格合格率
202131,6964,83215.2%10,4993,76535.9%37,9073,7659.9%
202030,4096,29520.7%11,0353,79634.4%35,7833,79610.6%
201925,1325,72922.8%101513,57135.2%29,7413,57112.0%
201825,8784,74218.3%9,2513,82741.4%30,5453,82712.5%
201726,9234,94618.4%8,9313,36537.7%31,0613,36510.8%
201626,0964,21316.1%8,6533,67342.4%30,6483,67312.0%
201525,8044,80618.6%9,3083,77440.5%30,4623,77412.4%
201425,3954,65318.3%9,4603,82540.4%30,3303,82512.6%
201326,8015,10319.0%9,8304,01440.8%31,7044,01412.7%
201229,4845,36118.2%10,2424,27641.7%34,5114,27612.4%
201132,8435,17115.7%11,2024,56040.7%39,0204,56011.7%
201038,4765,81415.1%10,7054,47641.8%43,5204,47610.3%
200942,5698,32319.6%12,5455,16441.2%46,9425,16411.0%
200848,6517,36415.1%9,9354,14441.7%51,3234,1448.1%
  • 最終合格率は10%前後で推移している。
  • マーク式→記述式型の二段階選抜の試験は大抵の場合は記述式でごっそり持っていくパターンなのであるが、本資格の場合は逆である。製図作成試験は40%の合格率であり、鬼門ではなくなっている。これは、「設計製図の試験」は、試験日の約3ヶ月前に試験課題が公表され、ある程度の対策が立てられるからである。

一級建築士数

  • 2020年4月時点で37万人の一級建築士が登録されている。しかし、全てが活動中というわけではない。何らかの会社に所属している=活動している建築士の年齢分布は以下の通りになる。
    年齢所属建築士数割合
    29歳以下1,295人0.9%
    30~39歳1万5,528人11.0%
    40~49歳3万3,074人23.5%
    50~59歳3万7,128人26.4%
    60~69歳4万987人29.1%
    70~79歳1万1,413人8.1%
    80歳以上1,385人1.0%
    参考文献:国土交通省 建築行政に係る最近の動向
  • 実に半数以上が50歳以上なのだ。
  • 今後は建築士の減少が予想されるわけだが、それに伴い建築士の給料は上がっていくのであろうか。
  • 設計現場では、無資格者にデザインをさせて建築士は最後の印鑑を押すだけでも成り立ってしまうので、この建築士減少を機に建築士の少ない業務体制に切り替わってしまう可能性すらある。

需要

  • 2020年時点で、設計事務所の数は114,983か所である。コンビニエンスストアが6万弱であるため、倍近い数の設計事務所があることになる。
  • 一級建築士は、2019年4月1日時点で全国に37万3490人が登録されている。2009年時点では33万人であり、10年間で4万人の増加を見せている。
  • 建築士全般に言えることだが、50代60代の建築士が非常に多く、その世代の退職に伴い建築士不足が懸念されている。そのために2020年の受験資格緩和が行われた。

給料

平均年収
2001625.0
2002595.5
2003607.6
2004601.7
2005538.8
2006538.2
2007538.2
2008641.6
2009551.9
2010550.8
2011519.1
2012519.1
2013677.2
2014637.5
2015
2016644.0
2017642.6
2018721.6
2019
2020
2021
2022

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出典:賃金センサス

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