概要 †
認定開始 | 1936年 |
受験資格 | 大学3年生以上 高等専門学校卒業者 学士資格を有しない大学院生 保険・年金などの業務に3年以上携わった者 |
分類 | 民間資格 |
分野 | 保険、年金 |
認定団体 | 公益社団法人日本アクチュアリー会 |
受験料 | 会員:7,000円、非会員:10,000円 |
勉強時間 | 1次試験:1000時間 2次試験:1000時間 平均8年間の勉強期間 |
人数 | 正会員1,931人、準会員1,297人、研究会員2,144人 |
HP | http://www.actuaries.jp/examin/info.html |
解説 †
- アクチュアリーとは、生命保険・損害保険・企業年金などの金融分野で、保険料率・支払保険金額の算定をはじめとする数理業務を担当する専門職である
- 民間資格であるが、国家資格を凌ぐほどの難易度を誇っている。
- 日本で正式にアクチュアリーを名乗ることができる日本アクチュアリー会正会員には、2020年3月末時点で1800名ほどしか認定されている。
- アクチュアリー業務では、おもに生命保険・損害保険・企業年金といった制度の運営を、数理的な側面から支える。医療・経済・自然災害などに関するさまざまな統計データをもとに保険料・支払保険金額の算定や企業の収支状況の評価、商品開発といった業務に携わる。
- アクチュアリーの勤務先として代表的なのは、保険会社、信託銀行、官公庁などである。コンサルタント会社に籍を置いて保険や年金に関わるコンサルティングをおこなうアクチュアリーや、監査法人に所属して中立的な立場から外部監査に携わるアクチュアリーもいる。
- 主に給与所得者がキャリアアップのために取得する資格である。
試験 †
- 全科目合格が求められる。
- 基礎科目となる第1次試験の5科目と、専門科目となる第2次試験の2科目、計7科目に合格しなければならない。
- 1科目合格→研究会員としての入会が認められる。
- 1次試験合格→準会員となる。
- 合格基準点は各科目満点の60%である。「会計・経済・投資理論」については、3つのうち1分野でも満点の40%に達しなければ不合格となる。
科目 †
1次試験 †
科目 | 内容 | 出題範囲 |
数学 | 確率・統計・モデリング | 事象と確率、統計的検定、回帰分析など |
生保数理 | 生保数理の基礎および応用 | 利息の計算、生命表および生命関数、脱退残存表など |
損保数理 | 損保数理の基礎および応用 | 料率算定の基礎(回帰分析等を含む)、リスクモデル 純保険料と営業保険料の算定方法など |
年金数理 | 年金数理・年金財政の基本 | 年金数理の基本原理、計算基礎率、年金現価率など |
会計・経済・投資理論 | 会計・経済・投資理論の基本 | 【財務会計の機能と制度、ミクロ経済学、投資家の選好など |
2次試験 †
科目 | 内容 | 出題範囲 |
生保1 | 生保商品の実務 | 営業保険料、解約および解約返戻金、生命保険の商品開発など |
生保2 | 生保会計・決算 | 生命保険会計(保険会社税制を含む)、契約者配当、事業費の管理・分析など |
損保1 | 損保商品の実務 | 損害保険業とは、損害保険料率、保険料の算定 |
損保2 | 損保会計・決算・資産運用 | 損害保険会計の特色と体系、支払備金、責任準備金 |
年金1 | 公的年金制度 各種退職給付制度の設計・税務 | 公的年金制度(国民年金、厚生年金保険)の設計 確定給付企業年金制度および確定拠出年金制度の設計 |
年金2 | 公的年金制度 企業年金制度の財政ならびに退職給付会計 | ・公的年金制度(国民年金、厚生年金保険)の財政 確定給付企業年金制度の財政 |
- 3コースのうちから1つを選択する。各コースは2科目から構成されている。
- 生保コース(生保1、生保2)
- 損保コース(損保1、損保2)
- 年金コース(年金1、年金2)
合格率 †
給料 †
- アクチュアリーの年収が正会員1200万円、準会員1000万円、研究会員600万円などと書いてあるサイトがあるが、これは全くのデタラメである。というのも、アクチュアリーという資格は金融機関や保険会社に勤めて意味があるものであり、当然、給料はその会社に依存する。高給な会社の準会員の方が薄給の会社の正会員よりも給料は多い。
- アクチュアリーは基本的に金融業界に属しており、金融業界は給料が高いため、機械的に平均年収を算出したら1000万円は超えるだろう。これは、アクチュアリー取得に平均8年を要することも大きく関係している。必然的に平均年齢も高くなり、年功序列の年収も高くなるということだ。
- 平均年収が1000万円を超える理由としては、アクチュアリーの威光というよりは、業界と年齢の影響が大きい。
- 大手の場合はアクチュアリーの絶対数が多く、希少性はやや落ちる。が、手当による年間数十万円程度の上乗せはある。
- 中小企業の場合はアクチュアリーの希少性が上がり、100万円以上の上乗せになる会社もある。
コメント †
コメントはありません。 コメント/アクチュアリー?